東京都武蔵野市の吉祥寺駅近くに来年4月の開設を目指していた民間の認可保育所について、近隣住民が20日、建設の前提となる住民の合意がなかったとして「開設に同意できない」とする文書を市に提出しました。待機児童解消を目指す市は「住民の理解に努めたい」としていますが、予定通りの開設は難しい情勢になっています。

 市や住民らによると、保育所が計画されているのは吉祥寺駅から北東へ徒歩約10分の住宅地で、定員は0~5歳児の約65人。運営に当たるのは自動販売機の販売などを手がけている埼玉県所沢市の事業者で、これまで保育関連の事業の経験はないといいます。

 申請を受け、都は今年6月に認可保育所として承認したが、住民側は「4月にあいさつ回りはあったが、同意した覚えはない」と主張。事業者も「明確な反対がなかったので、合意は得られたと思い込んでいた」と認め、8月に予定していた着工を延期しました。

 住民側は、事業者が市街化調整区域に無許可で事務所兼倉庫を建設したとして、同県三芳町から都市計画法違反の是正指導を受けたことも問題視。ある住民は「待機児童解消の願いは私たちも同じ」としながら、「この事業者は受け入れられない」と反発を隠せません。

 武蔵野市の今年4月現在の待機児童は122人。住宅などが立ち並び、地価も高い吉祥寺近辺では保育所の適地はほとんどなく、邑上(むらかみ)守正市長は「住民の同意が得られるよう改善策を考えたい」と話しています。